創業からわずか4年で、スマートフォンの出荷台数で世界シェア3位(米IDC調べ)に急浮上した中国シャオミ(Xiaomi)。急成長する同社を率いるのが、「中国のジョブズ」と言われる、同社の創業者でCEOである雷軍(レイ・ジュン)氏だ。本書は雷軍氏の生い立ちから、シャオミの誕生、急成長までを描いた著作である。

 雷軍氏は1969年生まれ。シャオミを創業したのが2010年であり、その時、雷軍氏は既に40歳だった。実は雷軍氏は、中国のインターネットの草創期からプログラマーとして活躍。29歳で社長に相当する総経理に抜てきされたほか、投資家としても成功するなど、“勝ち組”の人生を送っていた。本書では、起業家らしからぬ優等生タイプの雷軍氏の歩みと、内に秘めた起業への思いなどに迫り、シャオミの創業に至るまでの足跡を詳細に描く。読み物としては若干単調だが、シャオミという注目企業に迫る書籍として価値は高い。


中国のスティーブ・ジョブズと呼ばれる男
陳 潤 著
永井 麻生子訳
東洋経済新報社発行
1944円(税込)