バトンタッチ文化を培いたい

 創業者小倉昌男氏の『経営論』をはじめ、ヤマトホールディングスの経営を取り上げる書籍は多い。組織風土改革のコンサルタントとして働く著者が、ヤマトの「全員経営」に注目し、どうすれば全社員が当事者意識を持って日々の業務や改善に取り組めるのかを探るのが本著。「経営者の考え方」に加え、「接客」「少数精鋭」「現場力」「人事制度」という切り口でヤマトの組織風土を分析する。

 例えば少数精鋭が徹底される背景には「バトンタッチ文化」があると指摘する。セールスドライバーが休み前に、ほかのドライバーに引き継ぎで詳細なメモをわたすなど、「助け助けられ」のチームプレーが当然のように行われているという。


クロネコヤマト 人の育て方
水迫 洋子著
中経出版 発行
1512円(税込)