大量データから恩恵受ける方法

 収集した大量データをより良い社会作りに生かすのに、どんな手立てがあるのか。それを、米ハーバード大学などで教鞭をとるコンピュータ工学者と、科学技術ジャーナリストが本書で明らかにした。

 鍵となる考え方が、ビッグデータから現実世界を探る分析手法を指す「リアリティ・マイニング」。この手法の活用例を、「個人」、10人から1000人までの「近隣社会と組織」といった場合ごとに、プライバシー保護のやり方とともに紹介する。「個人の習慣を見張り悪い習慣を正す」「企業内メールの内容を分析した結果を、同じテーマに関心を寄せる社員の紹介に活用する」など多彩な事例が目を引く。


みんなのビッグデータ
ネイサン・イーグル/ケイト・グリーン 著
ドミニク・チェン 監訳、 ヨーズン・チェン 訳
NTT出版発行、2376円(税込)