定義が明確な個人情報に対して、パーソナルデータは立ち位置がグレーのまま、話題先行の状態にある。本書はパーソナルデータにまつわる最新の事例を中心に、定義や行政などを多角的な観点で紹介する実務書である。自分のパーソナルデータを算出する数式や保護するためのWebブラウザー設定画面などの紹介もあり、手を動かしながら読みすすめられる内容も少なからずあり、曖昧模糊としたパーソナルデータを文字通りパーソナルなものにしてくれる。

 その分、自身のあずかり知らぬところで“商品”として扱われているパーソナルデータの実態はまさに「衝撃」と言える。もちろん、それはダークサイドだけでなく、新たなビジネスモデルによるビッグチャンスの可能性もまた大きい。政府はこの3月10日に個人情報保護法の改正案を閣議決定し、開催中の通常国会に提出。審議が始まる。本書はまさに今読むべき本と言える。


パーソナルデータの衝撃
一生を丸裸にされる「情報経済」が始まった

城田真琴 著
ダイヤモンド社
1944円(税込)