「ワイアード日本版」や「ギズモード・ジャパン」など数多くのメディアを立ち上げたことで知られる小林弘人氏と日経ビジネスチーフ企画プロデューサーの柳瀬博一氏が、メディアと広告の今後について対談形式で語った本だ。

 ウェブとSNSの発達で世界は原始時代のような「150人の村」に戻ってしまったという仮説から対談はスタートする。雑誌や新聞よりもSNS上の友達からのキュレーションで情報を受信するのがメインとなる時代、プロフェッショナルなマスメディアはどうやって儲けるのかという問題について、小林氏は「情報にどんな意味があるのかを解説する役割がポイントになる」と説く。つまりジャーナリストであり、自らの言葉でも解説できる池上彰氏のような存在がウェブ時代のメディアのロールモデルになるわけだ。本書はスラスラ読み進められるものの、数多くの気づきが含まれており、内容は濃い。


インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ
小林弘人、柳瀬博一 著
晶文社発行
1620円(税込)