孫正義氏の元右腕が語る ソフトバンクの内実

 現ソフトバンク顧問の著者が2006年11月から7年4カ月務めた社長室長時代を振り返り、同社の内実を赤裸々に語った本。元衆議院議員の立場や人脈を生かしながら、ボーダフォン買収、再生可能エネルギー普及促進、米スプリント買収などの重要案件を孫正義社長の右腕として推し進めていく。

 現顧問の著作であるため、当然ながら内容はすべてソフトバンク寄り。競合事業者には反論したくなる記述もあるだろう。だが、内部の人間しか知りえない孫社長との会話や当時の心境などの描写は、臨場感と緊張感を読者に与える。興味深いノンフィクション作品としてお薦めの一冊だ。


孫正義の参謀
嶋聡 著
東洋経済新報社発行
1944円(税込)


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