ネットと憲法の問題提起 基本的人権の解釈修正も

 インターネットと憲法の問題を包括的に網羅した憲法学者による体系書。2002年の初版に最新の法的問題や論点を加え、新版として再発行した。

 インターネットの登場以来、様々な憲法問題が提起されてきた。「表現の自由」から、憲法が前提とする個人の在り方にも見直しが迫られている。これに対して著者は、「サイバースペース法」という法領域の確立が必要だと主張する。日本国憲法の基本原理に立ち戻って、基本的人権の解釈をインターネットに適合するよう修正することが求められるという。国境を越えた法適用や電子民主主義など、多数の論点も示されている。


インターネットの憲法学 新版
松井 茂記 著
岩波書店 発行
4320円(税込)