若年層に迫るSNSの闇 道具として使う心構えは

 元教員のジャーナリストである著者が、コミュニケーションインフラとして浸透したSNSの危険性と不自由さを利用者の生の声を交えながら描き出す。中高生を中心とした若者世代のコミュニケーションの実態から、利用者が抱える承認欲求の暴走、デジタル化で陰湿さを増すネットいじめ、生活時間を奪うネット依存まで、SNSに内在する闇の深刻さには、子どもを持つ親として身につまされる。

 既に社会に根を下ろしたSNSには、企業にそしてビジネスパーソンに牙をむく、負の側面やリスクもある。SNSに支配されずツールとして使うために、著者が説く心構えが参考になるはずだ。


ソーシャルメディア中毒
つながりに溺れる人たち

高橋 暁子 著
幻冬舎 発行
840円(税込)