2020年までに、インターネットに接続されるデバイスが数百億台に達するといわれている。製造業をはじめ、小売りや医療、農業などさまざまな分野でIoTが広がり、新たな付加価値が生み出されていく。

 本書はこうしたIoTによって具体的にどんなサービスが登場してくるかを示し、その動きに乗り遅れそうな国内企業を叱咤激励する。また、「IoTの光と影」の影にはセキュリティがあるとし、そのポイントを「セキュリティの十戒」として解説する。

 米国生まれの日系二世で、内閣府本府参与の筆者は、日本企業の極端なハードウエア重視の状況や、個の強みを生かせないチーム運営、先進的な取り組みをしていても企業内に閉じプラットフォームとして外へ広げようとしない姿勢にも警鐘を鳴らす。IoTビジネスの可能性や、日本企業が抱える課題をざっと把握したい人にお勧めの一冊だ。


IoTは日本企業への警告である
24時間「機械に監視される時代」の
ビジネスの条件

齋藤ウィリアム浩幸 著
ダイヤモンド社
1728円(税込)