日本よ、あぐらをかくな 福島事故調委員長の提言

 自分たちの技術が高いことにあぐらをかく傲慢さが今の日本をダメにした――。こう説く著者の畑村洋太郎氏は機械工学の第一人者。「失敗学」などを提唱し、福島第一原発の政府事故調査委員会で委員長も務めた人物だ。企業や生産現場に足繁く通った経験から、日本産業界の弱点に切り込む。

 その上で具体的に数多くの提言をしている。例えばグローバル時代でも競争力を保つ素材系分野から得られる教訓を紹介。ハイテク製品の基礎技術や生産技術の開発は海外移転すべきではないという。価値に軸足を置く経営を志向すれば、米アップルにも勝てるともしている。


技術大国幻想の終わり
これが日本の生きる道

畑村 洋太郎 著
講談社 発行
799円(税込)