「システム」を科学する 日の丸産業の実力不足
「システムに関する技術と科学」をテーマに、広い視野から深掘りしていくのが本著。情報システムに限らず、世にある様々なシステムと名の付く製品やサービスの具体例を取り上げながら、システムの本質をえぐる。
著者は、インフラのパッケージ型輸出が伸び悩むのは、根本的に日本のシステム技術に弱さがあるからだと指摘する。ドイツが製造技術に革新をもたらそうと産官学共同で推進する「インダストリー4.0」の本質は、技術のシステム化にあるという。つかみ所がないシステムという存在を科学の切り口で理解を促そうという試みは斬新で、知的好奇心がくすぐられる。
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世界を動かす技術思考
要素からシステムへ
木村 英紀 編著
講談社 発行
929円(税込)