米国で「ビッグ4」と呼ばれるアップル、グーグル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムの買収戦略を解説した書。タイトルにある「インフォグラフィック」とは文字通り、グラフィックの多用で情報を伝えること。分かりやすいだけでなく、紙芝居のような感覚でスイスイ読める新しいタイプの書籍である。

 各社の買収案件を改めて振り返ると興味深い。アップルの場合、スティーブ・ジョブズ時代はプロダクトを洗練させるための厳選された買収が中心だったが、ティム・クック体制に変わって買収のペースを加速している様子がよく分かる。フェイスブックの場合、上場までは人材を集める目的が強かったが、上場後はモバイル対応の促進に狙いをシフト。最近ではグーグルと競合する分野にも進出している。説明文が少ないので内容が浅いように感じるかもしれないが、要点をしっかり押さえて説明してある。


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Amazonの買収戦略

荒川拓、櫻田潤 著
ディスカヴァー・トゥエンティワン発行
1620円(税込)