ポイントサービスの導入を検討している企業向けの指南書。過去の経緯や最近の動向、導入の狙いやメリットなどを解説する。「ポイントサービスは競争が激しい業界に向く」や「国際会計基準への移行で“失効させる”から“使わせる”方向に転換」といった背景が分かって興味深い。

 最近では大手プレーヤーの「縄張り争い」のような状況だが、著者が推奨するのは独自ポイントの運営だ。共通ポイントでは顧客のデータを加盟店側で保有できないため、うま味があるのはポイント運営会社だけと指摘する。本書によると、Tポイントでは顧客が「1ポイント=1円」となっているが、加盟店は「1ポイント=3円」で仕入れているという。売上高の2%を手数料として支払っている計算になる。こうした状況を踏まえ、地方の中堅・中小企業は「独自の地域連携ポイントサービスを立ち上げ、地域の活性化につなげるべき」と提案する。


常勝!ポイントサービス戦略
菊池一夫 著
アスペクト発行
1404円(税込)