知の覇権戦争を通して日本の進むべき道を提言

 著作権の専門家である著者が、過去の文書や映像・音楽などのデジタルアーカイブをめぐる欧米の動きと、日本が取るべき10の対策を提言する。著者は米国の巨大企業(グーグルやアマゾン)を中心に、デジタルアーカイブの寡占化が進んでいると警鐘を鳴らす。

 欧州連合(EU)ではこれに対抗すべく3000万点もの過去の文化遺産をネット公開している。一方、日本では国立国会図書館がネット公開する資料は48万点程度と遠く及ばない。著者はデジタルアーカイブこそが国際競争力を高める最重要インフラだとし、10年以内に日本は最先端のデジタルアーカイブを構築すべきと訴える。


誰が「知」を独占するのか
福井 健策 著
集英社発行
821円(税込)