ソニーは2014年9月17日、2015年3月期連結決算(米国会計基準)の業績予想で、税引き後赤字が500億円(2014年7月時点)から2300億円に拡大すると発表。1958年に東京証券取引所に上場して以来、初めて中間・期末とも配当を見送る。スマートフォンの販売が世界的に振るわないことを要因に挙げており、同事業の減損処理で1800億円の損失を計上。事業の立て直しに向け、1000人規模を削減する方針も明らかにしている。
先週末、日本では9月19日に発売された米アップルの「iPhone 6」で大騒ぎになったが、それでもソニーのスマートフォンの存在感は高い。では海外でソニーのスマートフォン事業(ソニーモバイルコミュニケーションズ)はどういう状況にあるのか。欧米や新興国の状況を具体的に見てみよう。
圧倒的にiPhone優勢で苦戦する米国市場
米国ではスマートフォンの利用者が2014年7月現在、1億7300万人を超え、携帯電話利用者の71.8%がスマートフォンユーザーとなっている。米国市場はiPhoneが圧倒的に強く、市場シェアのうち42.4%を占めている(表1)。2位のサムスンは28.4%で、両社を合わせると米国のスマートフォン市場のうち70%以上のシェアとなる。
メーカー | 2014年7月シェア | 2014年4月シェア |
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Apple | 42.4% | 41.4% |
サムスン | 28.4% | 27.7% |
LG | 6.4% | 6.5% |
モトローラ | 5.7% | 6.3% |
HTC | 4.7% | 5.3% |
その他 | 12.4% | 12.8% |