米アップルは2015年3月25日、横浜市長の発表を受けて、横浜市港北区にあるパナソニックの工場跡地に「テクニカル・デベロップメント・センター」を建設すると発表した。横浜市の林文子市長は記者会見を行い、アップルの建設計画を明らかにしている。アップルは約3万7900平方メートルの跡地のうち、約1万2500平方メートルを取得、施設の延べ床面積は約2万5000平方メートルとなるとのことで、2016年度中の完成を見込んでいる。

 アップルは2014年12月、日本に研究開発拠点を設立することを明らかにしていた。当時、衆議院選挙を控えた安倍晋三首相からも「海外から日本への投資が拡大している例」としてアップルの日本進出を、さいたま市での街頭演説中に取り上げたことで「アベノミクス効果」の1つとして話題になった。アップルにとって日本市場とはどのようなものなのだろうか。

アップルが横浜に研究開発拠点を設立、人材募集も開始

 米国を代表する企業の1つで、「iPhone」でお馴染みのアップルが、横浜に研究開発拠点を2016年度中に設立する。

 アップルは2014年12月に以下のようにコメントを出している。「私たちの日本における事業が横浜に設立するテクニカル・デベロップメント・センターにより、さらに拡大されることを大変嬉しく思っている。これは数多くの雇用創出にもつながり、彼らは現在日本で働く8つの直営店スタッフを含む数多くの社員の仲間に新しく加わることとなる。私たちは日本でのこれまでの歩みを誇りに思うと共に、アップルが日本でビジネスを行なってきた30年以上の間、私たちを支えてくださった多くのお客様に心から感謝申し上げたい。」

 また2015年3月には、次のようにコメントした。「(横浜市港北区)綱島に本格的なテクニカル・デベロップメント・センターの建設を始めることとなり、日本で業務拡大できることを大変喜ばしく思います。環境にやさしい施設にすることを、横浜市と共に進めて参ります。日本における弊社のこれまでの歴史を誇りに思いますと共に、30年以上支え続けてくださる多くのお客様に感謝申し上げます」。

 アップルが米国国外に研究開発拠点を設立すると表明したのは初めてである。日本での事業は直営店などを通じた端末の販売が中心だった。すでに「リクナビNEXT」で人材募集が掲載されているようだ。横浜市の研究開発拠点に関わるものは6つあり、「IC評価エンジニア」「Mixed-Signal ICテストエンジニア」「IC検証エンジニア」「Mixed-Signal ICプロダクトエンジニア」「アナログICデザイナー」「シニアCADエンジニア(フロントエンド)」となっている。