米グーグルが2014年11月にリリースしたAndroidの最新版「Android 5.0」(開発コード名:Lollipop)には、端末を一時的に他人に貸し出す際に便利な「画面の固定」と「ゲストユーザーモード」という2つの新機能が追加されている。BYOD(Bring Your Own Device)にも役立つ同機能の概要と利用方法について紹介する。

 Android端末の利用領域が拡大する中、端末を一時的に他人に貸し出す必要に迫られるケースが増えている。しかし、Androidを搭載するようなモバイル端末は個人情報や業務情報の塊であり、決済に利用できるものもある。何の手立ても講じずにそのまま貸し出すのは危険が大きい。

 Android 4.2~4.4系列は、タブレット端末限定でマルチユーザー機能に対応している。それらのOSを搭載するタブレット端末なら、データ領域を暗号化したうえでゲスト用のアカウントを新規作成することで安全に端末を貸し出せた。

 Android 5.0になり、ようやくスマートフォン端末でもマルチユーザー対応機能が有効化された。既定でデータ領域が暗号化されるようにもなった。これによって端末貸与のハードルが大きく下がった。加えてAndroid 5.0には、端末の一時的な貸し出しに便利な「画面の固定」と「ゲストユーザーモード」という2つの機能が追加された。

あるアプリだけを利用可能に

 「画面の固定」は、指定したアプリの画面を固定表示する機能である。同機能を有効にすると、他のアプリへの切り替えやホーム画面の表示などは一切できなくなる。ある特定のアプリだけを使わせたい場合に役立つ。

 同機能の有効手順を図1に挙げた。セキュリティ設定画面にある[画面の固定]項目をONにすると、概要画面で最も手前に表示されるタスクの右下にピン型のアイコンが表示されるようになる。このアイコンをタップすると、そのアプリの画面が固定表示される。

図1●特定アプリだけを利用可能にする「画面の固定」機能の有効化手順
図1●特定アプリだけを利用可能にする「画面の固定」機能の有効化手順
ここで図示した作業を始める前に、セキュリティ設定画面にある[画面の固定]項目を「ON」にしておく必要がある。
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