2014年11月13日にワイモバイルが開催した新製品発表会(関連記事:「まったく新しいモバイルを」、ワイモバイルがNexus 6やシェアプランを発表)では、これまでの低価格路線を覆す新たな方向性が話題となった(写真1)。

写真1●ワイモバイルがNexus 6など新製品を発表
写真1●ワイモバイルがNexus 6など新製品を発表
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 ワイモバイルは、新ブランドを立ち上げてからの3カ月間でAndroid新規販売数シェア40%を確保するなど、順調な滑り出しをアピールした。その一方で、以前から自他ともに認めてきた通信業界の「LCC(Low Cost Carrier)」という立ち位置を否定し、ハイエンド端末のNexus 6を導入。データ用の子回線を増やせるサービスなど、新しい方向性を打ち出してきた。その背景には、MVNO(仮想移動体通信事業者)の台頭により差異化を余儀なくされている面もある。

 そこでNexus 6の発表を振り返りつつ、今後のワイモバイルの展開を占ってみる。

Nexus 6の販売価格にサプライズなし

 ワイモバイルによるNexus 6の発表にあたって最も注目を集めたのは、高価なハイエンド端末を「LCC」だった同社がどのような価格設定で販売するのか、という点だろう。

 発表会以前からワイモバイルは、国内でのNexus 6の独占販売を表明していた。こうした経緯から、単体で7万円を超えるNexus 6の販売に当たってなにか「秘策」があるのではないかと期待を集めていた。