米グーグルは2016年5月19日、開発者向けの年次会議「Google I/O」の会場において、ChromebookなどのChrome OS搭載端末を2016年6月から順次Google Playに対応させることを発表した。コンテナ技術を使った新しい仕組みを導入して、Androidアプリを高速かつシームレスにChrome OSで稼働可能にする予定だという。

 Chrome OS搭載端末のGoogle Play/Androidアプリ対応を発表したのは、米グーグルのChrome OSプロダクトマネジメント担当ディレクターであるKan Liu氏。発表の内容は同社が公開したビデオ(https://youtu.be/yDy1WWUdlY8)で確認できる。

 グーグルは現在、「Android」「Brillo」「Chrome OS」の3つの携帯/小型機器向けOSを提供している。いずれもLinuxベースのOSだが構成は異なり、Chromeブラウザーさえあれば動作するChromeアプリを除けば、アプリケーションの互換性は基本的に無い。

 ただしChrome OSについては、Androidアプリ対応が2014年のGoogle I/Oで表明済みである。それに基づいて「Android Runtime for Chrome」(ARC)というAndroidアプリ実行環境や、AndroidアプリをARCで実行可能なChromeアプリに変換する「ARC Welder」というツールなどの開発がこれまで進められていた。

 これらを踏まえると、今回の発表には新味がないと感じるかもしれない。実際、豊富なAndroidアプリをChrome OS搭載端末で利用可能にするという基本コンセプト自体は何も変わっていない。しかし、ARCの採用を断念してコンテナ技術を使った新しいAndroidアプリ実行環境を用意することや、Google Playを直接利用可能になること(写真1)、稼働できるAndroidアプリが大幅に増えることなど、詳しく見ていくと従来とはかなりの違いがあることが分かる。

 写真1●Chrome OSでGoogle PlayからAndroidアプリをインストールしている様子
写真1●Chrome OSでGoogle PlayからAndroidアプリをインストールしている様子
米グーグルのGoogle I/Oでの発表内容をまとめたビデオ映像(米グーグル公開)から抜粋した。
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