2016年12月にリリースされたバージョン55以降のWebブラウザー「Google Chrome for Android」は、事前にダウンロードしておいたWebページや画像、動画などをオフライン時に表示できる。2017年4月にリリースされたバージョン58では、このオフライン機能が強化された。オフライン機能の概要や強化点について紹介する。
飛行機やトンネルの多い新幹線で移動する際のように、インターネットに接続できなかったり、接続が不安定になったりした状態で、Webページを閲覧したいケースはしばしばある。Webページを構成するデータを事前にダウンロードしておき、そのデータを使ってオフライン表示できるようにすれば、そうしたニーズに対応できる。
デスクトップPC向けのWebブラウザーには、一般にそうした機能がある。しかし、接続が途切れるシチュエーションが多く、オフライン表示のニーズがより高いと思われるモバイル端末向けOSの標準Webブラウザーの多くは、Webページを保存してオフライン表示する機能を備えていなかった。
iOSについては、iOS 6以降のSafariに「オフラインリーディングリスト」という機能があるため大きな問題にはなっていない。しかし、オンライン広告を収益の柱にしている米グーグルが開発元だからなのか、Androidにはこれに類した標準機能はなかなか実装されなかった。
もちろん、Android版の「Opera」のような、コンテンツのオフライン表示機能を備えるWebブラウザーアプリを追加すれば問題は解決する。しかし、オフライン表示だけのためにWebブラウザーを変更するのはハードルが高い。
2016年末にオフライン表示対応
この状況が変わった。2016年12月にリリースされたバージョン55以降の「Google Chrome for Android」(以下、Chrome)にオフライン機能が追加されたのである。
Chromeのオフライン表示機能は、ダウンロード機能の拡張だと考えると分かりやすい。操作もファイルのダウンロードと同じである。
オフライン表示させたいWebページを示すリンクを長押しし、表示されるメニュー(写真1)で「リンクをダウンロード」を選択する。これにより、そのWebページがダウンロードされる。