2015年1月30日、ソネットとソニーモバイルコミュニケーションズが手を組み、MVNO市場にXperiaシリーズのスマートフォンを今春にも投入することを発表した(関連記事:ソネットなど、LTE通信と高付加価値のXperiaスマホを組み合わせた新サービスを提供開始)。これまでソニーモバイルはオペレーター市場に注力する方針を示していただけに、突然の方針転換は大きなサプライズとなった。

 一方、ソニーからPC事業を分離した別会社のVAIO株式会社もまた、2014年末にスマートフォン市場への参入を発表。VAIOのパートナーである日本通信は、1月29日の決算発表でVAIOスマートフォンのパッケージを披露、2月発売を明らかにした(関連記事:日本通信の2014年4~12月期は増収減益、「VAIOスマホ」で巻き返しを図る)。

 これにより、奇しくもソニーとVAIOが同時期にMVNO市場に参入し対決する形となった。果たして今後の展開はどうなるのか、予想してみたい。

キャリア向けの注力を表明していたソニーモバイル

 まずソニーモバイルの最近の動向を振り返ってみよう。2014年11月に開催した「Sony IR Day 2014」で、2015年の経営方針を説明した。当時、新社長に就任した直後だった十時裕樹氏は、MVNOやSIMフリーなどオープン市場の拡大を認めた。そして備えが必要としつつも、当面は大手キャリア向けなどオペレーター市場に注力するとの姿勢を示していた(関連記事:「構造改革後にIoTなど挑戦を」ソニーモバイルが事業方針を説明)(写真1)。

写真1●Sony IR Day 2014で経営方針について語るソニーモバイルコミュニケーションズ代表取締役社長兼CEOの十時裕樹氏
写真1●Sony IR Day 2014で経営方針について語るソニーモバイルコミュニケーションズ代表取締役社長兼CEOの十時裕樹氏
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