Hitach Incident Response Team

 1月3日までに明らかになった脆弱性情報のうち、気になるものを紹介します。それぞれ、ベンダーが提供する情報などを参考に対処してください。

米アドビ システムズAdobe Flash Player 20.0.0.267リリース:APSB16-01(2015/12/29)

 Adobe Flash Player 20.0.0.267では、計19件の脆弱性を解決しています(図1)。脆弱性は、整数オーバーフロー、型の取り違え(type confusion:CWE-843)、メモリーの解放後使用(use-after-free:CWE-416)、メモリー破損(memory corruption:CWE-119)に起因して任意のコード実行を許してしまう問題です。脆弱性を悪用された場合、攻撃者に対象システムを制御されてしまう可能性があります。報告された脆弱性のうち、整数オーバーフロー問題(CVE-2015-8651)については、既に標的型攻撃などの侵害活動に利用されていますので、速やかにセキュリティアップデートを実施してください。

 また、これらの問題を解決したデスクトップランタイムWindows/Mac版Adobe AIR 20.0.0.233がリリースされました。

図1●Adobe Flash Playerの年別脆弱性対策件数の推移
図1●Adobe Flash Playerの年別脆弱性対策件数の推移