東経124/128度CSを利用するスカパー!プレミアムサービスにおいて4K放送がスタートして半年あまり。国内テレビの総出荷台数に占める4Kテレビの市場占有率も徐々に高まってきている。そんな中、国内で通信会社側のアプローチとして4K映像のVODサービスをいち早くスタートさせたのがNTTぷららである。

 そして、国産VODに挑戦するかのように米国からNetflixがやってきた。Netflixも4K VODも提供する。4K VODサービスで先行したひかりTVが提供しているコンテンツの視聴体験を通じて、そのポテンシャルを考えてみた。

古い映画もフィルム本来の画質を確認

 筆者が事務所(東京都中野区)で普段、リファレンスとして使用しているソニーの液晶テレビ「KD-55X9200A」に、ひかりTVの4K対応STB「ST-4100」をHDMI接続し、フレッツ 光ネクスト(ブロバイダーはNTT-ME)経由で、4K VODの作品群にアクセスしてみた。メニュー画面から「ビデオ」を選び「4K VOD」にスクロールすれば容易にコンテンツへたどり付くことができた。

 ハリウッドの典型的な新作として「ANNIE」を視聴した。4K/60Pのハリウッドムービーが映ると新鮮な驚きがあった。残像感がほとんどなく2Dの映像なのに立体的。真紅や紫がとても鮮やかに再現される。また5.1サラウンド環境もAVアンプで再現して視聴するとダイナミックレンジがかなり広く感じられた。

 日頃、筆者は「スカパー!4K 総合」を視聴しているので4Kコンテンツには慣れている。当然のこと「スカパー!4K 映画」では映画作品も放送しているが、1日に数作品を繰り返し放映するスタイルを採用している。HDD録画を再生するケースが多い筆者にとっては、オンデマンド形式で映画が視聴できるひかりTVのほうが、自然と視聴機会は多くなる(スカパー!4Kの映画タイトルは通常、録画できないスタイルで配信される)。

 ひかりTVの4K作品では古い映画も視聴してみた。「アラビアのロレンス」はリマスターされてフィルムが本来もっている色再現や解像度が生きている画質を確認できた。4Kの醍醐味は色再現と被写体が一つ一つ浮き上がることだというのが筆者の持論であり、解像度だけにフォーカスするべきではないと考えている。色再現性が生きた事例だと評価した。

 ひかりTVの4K作品には、1本当たり700円台の新作映画がある。一方で「アラビアのロレンス」のような作品が「見放題」に含まれているものもある。4Kテレビで作品に没入するには、品揃えと画質で日本のVOD市場をリードするものは現状(2015年9月25日現在)、「ひかりTV」だと断言したい。NTTぷららは今年末頃から4K IPストリーミング配信も計画中で、その内容にも期待したいところだ。