世界のセキュリティベンダーのブログから、押さえておきたい話題をピックアップして紹介する。今回は、米グーグルが開発中の「Google Glass」について。ドバイの警察が犯罪対策のために導入することを英ロイターが報じたと、スロバキアのイーセットがブログで紹介している。ドバイ警察が独自開発したソフトウエアが、Google Glassと指名手配者のデータベースを接続する仕組みだという。

 イーセットがブログで引用したオンラインマガジン「Slate」の報道によると、ドバイ警察はまずテスト段階として、Google Glassを交通違反の捜査や違反車両の追跡などに使用する。順調にいけば、顔認識プログラムのために刑事や警官に配布する。

 しかしグーグルはこれまで顔認識ソフトウエアの開発を禁じている。昨年同社は、「強力なプライバシー保護策が整わない限り、当社の製品に顔認識機能を追加しない。それを踏まえ、現時点でいかなる顔認識Google Glass用ソフトウエア(Glassware)も承認しない」と宣言した。

 それでも、開発者がそうしたソフトウエアを開発してGoogle Glassにサイドローディングするのをやめさせることはできない。「NameTag」などのように顔認識機能を備えながらグーグルのプライバシーチェックを受けずに、開発者向けに公開されているソフトウエアもある。

 犯罪対策にGoogle Glassの導入を検討するのはドバイ警察が初めてではなく、ニューヨーク市警察(NYPD)は今年2月から試験利用している。NYPDは、「我々はGoogle Glassをいくつか手に入れ、主にパトロールなどの捜査に使えるか試している」と述べた。

 Google Glassは1セット1500ドルと高価だが、ドバイ警察の気前の良さはよく知られている。昨年、ドバイ警察は1台40万ドルの高級車ランボルギーニを導入する計画を発表した。