ユーザー部門 vs システム部門、システム部門 vs ITベンダー、自社vs取引先――。業務改革やシステム企画・開発では、ステークホルダー(利害関係者)同士の対立や実現性が低い無茶でとんでもない要求(ムチャぶり)による混乱がつきものです。

 特に、ユーザー部門や顧客からのムチャぶりに悩まされるプロジェクトリーダーは少なくないでしょう。ムチャぶりのタイプも様々です。「悪気はまったくなく、思ったことを言ってみた」というレベルもあれば、「無理難題と分かっていても、力関係を背景に無理を押し通そうとする」なものまであります。

 プロジェクトの現場で、もし皆さんがムチャぶりされたらどう対処しますか。ムチャぶりにどのように対処していますか。対立解消やムチャぶり回避はステークホルダーマネジメントの重要な要素です。今回の週末スペシャルでは、「ステークホルダーマネジメント実践講座」の講師を務める吉岡英幸氏が、ITプロジェクトでの「ムチャぶり」解消策をQ&A形式で解説します。

相談:突然の仕様変更の要求にどう対応する?

 企業のIT部門で営業支援システムの開発をしています。最近、エンドユーザー部門から突然、営業支援システムの入力画面を変更するよう要求されました。インタフェース上は入力項目を1つ増やすだけなのですが、元のデータベースにはない項目で、変更するとなるとデータベースの設計からやり直さなければなりません。どうすればエンドユーザーを説得できるでしょうか。