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週末スペシャル

「バク宙ロボット」はソフトバンクの救世主になれるか

稲垣 宗彦 2017/12/08 日経トレンディネット
出典:日経トレンディネット 2017年11月28日
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 二足歩行のロボットがバク宙を決める動画がYouTubeで公開され、話題となった。この動画を投稿した米Boston Dynamicsは、今年6月にソフトバンクが買収すると発表した米Alphabet(米Googleの持ち株会社)傘下のロボット開発会社だ。苦戦が続く、ソフトバンクグループのロボット事業の救世主として期待される同社だが、本当に収益を見込めるのか。11月21日、22日に開催された同社のイベント「SoftBank Robot World 2017」の基調講演などからその可能性を探った。

技術力の高さは誰もが認めるものの……

 まずは下記の動画をご覧いただこう。この動画は、米Boston Dynamicsが11月16日に公開したもの。二足歩行ロボット「Atlas」が、ジャンプして器用にバランスをとる、後ろ向きの宙返りを決めるという内容で、「すでにロボットがここまでできるのか?」と驚きを隠せない映像となっている。

「SoftBank Robot World 2017」で展示された「Atlas」
[画像のクリックで拡大表示]
「Atlas」の足元。全身でバランスを取ることで、これだけの接地面積でも二足歩行が可能
[画像のクリックで拡大表示]

 Boston Dynamicsは、マサチューセッツ工科大学発のベンチャー企業。主に軍事向けの新技術の開発と研究を行う国防高等研究計画局(DARPA)による支援を受けつつ物資輸送などに使うロボットを研究・開発していた。2005年にはNASAやハーバード大学と共同開発した四足歩行ロボット「BigDog」の動画を発表。まるでロバのように4本の足を使って歩き、人に蹴られても器用にバランスを保つ妙にリアルな「BigDog」の姿は、同社の名前を世界に知らしめるほどのインパクトだった。

 2013年にはGoogleが同社を買収。Googleの傘下となった。とはいえ、近年は収益化の目途が立たない点が問題視され売却の噂が絶えなかったのだが、今年6月ソフトバンクが買収に合意したと発表。そして、その技術力が健在である点を強調するためか、前述した動画を公開。1100万回を超える視聴回数を記録している。

ソフトバンクが欲しいのは「機動力」

 ソフトバンクグループは、2015年にリリースした法人向けロボットである「Pepper for Biz」を皮切りに、本格的にロボット事業を推進。しかし、Pepperの販売・開発を手掛ける子会社のソフトバンクロボティクスは、大幅な債務超過に陥っていることが判明し、ロボット事業の立て直しが課題となっていた。

 現時点のPepperは、商品説明など主に飲食店や小売りの接客で利用されている。「SoftBank Robot World 2017」の基調講演に登壇したソフトバンクロボティクスの冨澤文秀社長は、「現在、2000社を超える企業が導入している」と話し、Pepperが一定の成果を挙げている点を強調した。

 だが、同社が成長するには接客以外にもロボットの市場を拡大する必要がある。そこで期待されるのがBoston Dynamicsが保有する、ロボットに機動力、つまり「脚」を追加する技術だ。動画を見れば分かるように、Boston Dynamicsのロボットは、階段はもちろん多少の障害物があっても避けたり、ジャンプで乗り越えたりして歩き続けることができる。そして、この機動力を生かせる領域が、警備や建設とソフトバンクは見ているようだ。

ソフトバンクロボティクスの冨澤文秀社長
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