年をとってきて、かなり忘れっぽくなっている筆者の「おかん」(母)。いろいろな可能性を考えて、いつでも連絡できるように、ということでケータイを持たせている。さまざまなスケジュールなども忘れがちなので、何かとケータイに連絡して確認するのが筆者の日課にもなっている。彼女のケータイは、二つ折りのよくあるタイプのガラケー。「かんたん携帯」と称するシニア向けの端末(ソフトバンクモバイルの108SH)だ。

おかんのケータイが通じない…分かりにくいケータイが原因!?

 ところで最近、おかんのケータイ、通じないことが結構ある。充電し忘れなどで、電源が切れてしまっている、という場合が多い。そのようなときは、家の固定電話に電話して、「ケータイ通じないから充電して」と伝えるのだが、彼女、電源が切れたままのケータイをクレードルに突っ込んだままだから、ケータイはいつまでも通じない(笑)。

 「少し充電したら、電源入れるんだよ。電源の入れ方分かってる?」と聞くと、「そんなの当たり前じゃん、分かるよ」と彼女は言うが、何だか疑わしく思い、筆者宅からすぐの、彼女の家に出向いて、それとなくケータイの電源の入れ方をたずねても、曖昧な返事。テンキー右上の電話を切る時の「切」ボタンの長押しだよ、と、念を押す。

 忘れっぽいのに加え、機械に弱い、というのもあるが、そこに「電源」とか「入/切」とか、電源を示す言葉が書いてない、というのが大きな原因かも。実際、モバイル機器をたくさん扱う筆者にとってもガラケーは全般的に分かりづらく、デザイン的には美しかったりもするが、機能的にはちょっと不親切かも、とも思う。

 彼女が電源だと思い込んでいるのは、サイドにある非常用ブザーのスイッチ。これが「入」「切」と切り替えられて、いかにも電源スイッチっぽく見える。当然だが、電源が切れているときにこれを「入」にしても電源は入らない。

 おまけに、娘(筆者のことだ)の電話がうるさい、とか、イライラしたときに、ケータイの電源を切ろうとしてスイッチを動かす(多分「切」を「入」にしてしまっている)と、大音響でブザーが鳴り響く(笑)。