iPhoneの最上級モデル「iPhone X」がいよいよ登場する。販売価格は、もっとも安い64GBモデルでも11万2800円、256GB版だと12万9800円(いずれもSIMフリー版)と高価で、「スマホにそこまでカネをかける価値はあるのか?」という意見も多い。
だが、実際にiPhone Xを使ってみると、従来のiPhoneにはない大型有機ELパネルがもたらす美しい表示や、Face IDによるスマートなロック解除方法などに思わず心が躍った。本体のみでできる3Dスキャンや、これまでにないスタイルでプレーできるゲームなど、iPhone X独自のTrueDepthカメラが将来的にもたらしてくれるであろう新機能への期待も十分。ホームボタンが廃止されたことによる操作性の変化や、TrueDepthカメラが収まる部分の表示が欠けていることなど、「使い勝手が悪くなっているのでは?」と懸念されていた部分もさしたる不満は感じなかった。
5.8型の大画面ながら、手にした際のサイズ感は4.7型のiPhone 7/8とほぼ同じ
iPhone Xを手にした最初の印象は、「本体が小さいのに画面が大きい!」。パネルサイズは5.8型と歴代のiPhoneでは最大ながら、5.5型のiPhone 6 Plus/7 Plus/8 Plusと比べても本体はひとまわりコンパクトなのだ。特に、縦長のパネルを採用したことで、幅がiPhone 7 Plusの77.9mmから70.9mmに7mmほど抑えられているのは評価できる。iPhone 7 Plusは、男性でも片手で持ちながら親指で操作するのは難しいケースが多いが、iPhone Xはラクラクと片手で操作できる。手で持った際の感触は、iPhone 7などの4.7型モデルとほとんど同じと考えてよい。
iPhone Xの5.8型有機ELパネルは、解像度が2436×1125ドットに高まったこともあり、表示は精細で美しかった。過去に登場した有機ELパネル搭載スマホのなかには、青かぶりなどの色転びが見られたり、見た目の鮮やかさを追求するため色の彩度が高すぎる機種も散見された。だが、iPhone Xの発色はきわめてニュートラルだと感じた。写真を趣味にしている人も満足できるだろう。
アプリは、iPhone Xの解像度に対応していればフル画面で表示されるが、まだ対応していないものは上下に黒い帯が表れた状態となる。FacebookやTwitter、YouTubeなどの一部アプリはいち早く対応していたが、大半のアプリはまだだった。