格安スマホは通話料金が高いのが弱点。ですが2枚のSIMカードを装着できるSIMフリースマホに、ドコモの通話定額を契約したSIMと格安SIMの2枚を入れると、「話し放題の格安スマホ」になります。どれだけ得になるのか試算しつつ、利用する際の注意点をまとめました。

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「話し放題の格安スマホ」を作れるように

 ファーウェイの「P8lite」やASUSの「ZenFone 2 Laser」など、2枚のSIMカードを同時に装着できるデュアルSIMタイプのSIMフリースマートフォンが増えている。

 デュアルSIMは本来、ヨーロッパや東南アジアなど、日常的に国境を越える機会が多い地域で活躍する端末。デュアルSIMスマホであれば、空いているSIMカードスロットに現地のSIMカードをセットするだけでいいので簡単だ。単純に手間が省けるというだけでなく、抜き取ったSIMカードを紛失するリスクも減らせる。

 一方、全国どこでも同じ料金で通信できる日本でも、海外とは異なるデュアルSIMの活用法がある。それは、現在の格安SIMにおける最大の弱点である「通話料金」の節約だ。

 格安SIMの通話料金は従量制で、30秒当たり20円が掛かる。1カ月で1時間30分(1日当たり3分)発信した場合、毎月3600円も掛かってしまう。「楽天でんわ」や「G-Call」といった通話料割引サービスを併用すれば半額の1800円で済むが、通話を発信した分だけ請求されることに変わりはない。

 これに対し、現在の大手携帯電話会社では、音声通話が掛け放題となる通話定額プランがメインだ。例えば、NTTドコモは月額料金2700円の「カケホーダイプラン(スマホ/タブ)」を提供している。格安SIMから1時間8分(割引サービスを使う場合は2時間15分以上)電話を掛けると通話料金が2700円を超えてしまうので、長電話をするユーザーは「カケホーダイプラン」を併用した方が、毎月のコストは安くなるはずだ。

 そうは言っても、通話定額プラン専用のスマホと格安SIMを入れたスマホ2台持ち歩くのは面倒だし、通話定額を目当てに大手携帯電話会社のスマホを利用すると、通信料金が高くなる。

 そこで活躍するのが、2枚のSIMカードが使えるデュアルSIMスマホというわけ。スマホの2つのSIMカードスロットに、格安SIMと通話定額を契約したNTTドコモのSIMカードを挿入することで、SIMフリースマホを「話し放題になる格安スマホ」に変身させてしまおう、というのが今回の記事の狙いだ。

 ちなみに、ドコモ、au、ソフトバンクは月額料金を1700円と安く抑え、1回の通話発信のうち5分までは無料で使える新しい通話定額プランを発表している。これだと通話料金を更に抑えられそうに思えるが、新しい通話定額プランは3社ともデータ通信プランへの加入が必須となるため、残念ながら「話し放題の格安スマホ」には使えない。