iPhone 6s/6s Plusを買うとき得するのは機種変更だろうか、それとも他社への乗り換え(MNP)だろうか。ドコモ、au、ソフトバンクの実質価格とお得度を徹底分析した。

 アップルのiPhone 6s / 6s Plusがドコモ、au、ソフトバンク各社から発売された。気になるのは、「機種変更やMNPで購入すると、実質的な価格はいくらになるのか」だろう。

 今回のiPhone 6s商戦の特徴は、機種変更について、各社とも古いiPhoneの下取りを優遇することで、既存のiPhoneユーザーが低価格で6sに機種変更しやすい環境を整えていることだ。いっぽう、MNP(他社への乗り換え)での大幅な値引きは実施されていない。

iPhone 6s商戦は、各社とも旧iPhoneの下取りによる既存ユーザーの囲い込みに力を入れている
iPhone 6s商戦は、各社とも旧iPhoneの下取りによる既存ユーザーの囲い込みに力を入れている
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 では実際に、6sへの移行でかかる金額についてみていこう。この記事では現在iPhone 5sやiPhone 5を使っている人がiPhone 6s(64GB)へ買い替えるケースを中心に、各社のキャンペーンや下取り割引を活用してiPhone 6s、iPhone 6s Plusを購入した場合の支払金額を計算していく。

1000円安くなった新しい通話定額プランに注目

 今年のiPhone 6s商戦、下取りと並ぶもう一つのトピックが、auが発表した新しい通話定額プラン「スーパーカケホ(電話カケ放題プランS)」だ。通話定額が適用されるのは1回の通話ごとに5分までという制限はあるが、そのかわりに基本料金が1700円/月と従来の通話定額よりも約1000円安くなっている。

この秋のiPhone 6s商戦、auは先手を打って「スーパーカケホ(電話カケ放題プランS)」を発表した
この秋のiPhone 6s商戦、auは先手を打って「スーパーカケホ(電話カケ放題プランS)」を発表した
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 この料金プランはauが発表したのち、ほぼ同じプランをソフトバンクは「スマ放題ライト」として、ドコモは「カケホーダイライトプラン」として発表した。特に、ドコモの利用者はiPhone 5sや5cからの機種変更だと旧プランの「タイプXi にねん」から基本料金の高い「カケホーダイ」への移行が事実上必須となっていたので、基本料金の安いプランの追加は喜ばしいところだ。

 以下に、各社で現在選択できる代表的な料金プランを掲載する。なお、データ定額プランは各社ともiPhoneを多くの人が快適に使える通信量5GB前後のもので統一した。各社が実施している「13カ月通信量1GB増量」などのキャンペーンの記載は外している。

●ドコモの月額料金プラン
カケホーダイ
プラン
カケホーダイ
プラン
(通話無料)
データMパック(5GB) spモード 合計
(税込)
2700円5000円300円8640円
 
カケホーダイ
ライトプラン
データMパック(5GB) データ定額5(5GB) spモード 合計
(税込)
1700円5000円300円7560円
 
参考:旧料金
(新規契約終了)
タイプXi にねん
(30秒/21円)
Xiパケ・ホーダイ
フラット(7GB)
spモード 合計
(税込)
743円5700円300円7282円
現行のカケホーダイプランに、基本料金の安い「カケホーダイライトプラン」が加わった

●auの月額料金プラン
カケホ
電話カケ放題プラン(通話無料) データ定額5
(5GB)
LTE NET 合計
(税込)
2700円5000円300円8640円
 
スーパー
カケホ
電話カケ放題プランS(1回5分まで通話無料) データ定額5
(5GB)
LTE NET 合計
(税込)
1700円5000円300円7560円
 
LTEプラン LTEプラン(30秒/21円、au間は1~21時無料) LTEフラット(7GB) LTE NET 合計
(税込)
934円5700円300円7488円
ドコモと同様の通話定額「カケホ」に加え、基本料金を抑えたまま通話と通信をバランスよく使える「スーパーカケホ」、ドコモ旧料金と同じく通信量がお得な「LTEプラン」の3種類から選べる

●ソフトバンクの月額料金プラン
スマ放題 通話し放題
(通話無料)
データ定額
パック・標準
(5GB)
S!ベーシックパック 合計
(税込)
2700円5000円300円8640円
 
スマ放題
ライト
通話し放題
ライトプラン
(1回5分まで通話無料)
データ定額
パック・標準
(5GB)
S!ベーシックパック 合計
(税込)
1700円5000円300円7560円
 
ホワイト
プラン
ホワイトプラン(30秒/21円、ソフトバンク間は1~21時無料) パケットし放題
(7GB)
S!ベーシックパック 合計
(税込)
934円5700円300円7488円
料金プランの構成はauとほぼ同じ。ちなみに、ソフトバンクは「アメリカ放題」でアメリカでの通話・通信料も国内と同じ料金で利用できる

 これらの新プランは、ちょっとした連絡に通話もするが、普段はデータ通信を中心に使う人にとってお得なプランだ。基本料金は従来の通話定額と比べて約1000円安い。ドコモの機種変更で旧プラン「タイプXiにねん」から新プランへ移行する場合、この「カケホーダイライトプラン」を選ぶのが無難だろう。

 auとソフトバンクの場合、以前から通話はあまりせず通信量重視のau「LTEプラン」、ソフトバンク「ホワイトプラン」も提供されている。通話もある程度使うなら新プランだが、通話をほとんどせず通信量を重視するなら従来プランを選んでもいいだろう。

 ちなみに、この新プランのうちauだけは通信量5GB未満の「データ定額3(3GB)」の小容量なプランと一緒に契約できる。通信量が少なくても問題ない人なら、基本料を約800円抑えられる。