2017年8月31日(現地時間)からドイツ・ベルリンで開催されたIT・家電の総合見本市イベント「IFA 2017」に合わせて、新しいスマートフォン「Xperia XZ1」「Xperia XZ1 Compact」を発表したソニーモバイルコミュニケーションズ(関連記事:Xperiaハイエンド機、2機種を発表 カメラがより充実)。カメラを使って顔を3Dデータとして楽しめる「3Dクリエーター」の搭載や、ハイエンドなコンパクトモデルを復活させるなど多くの取り組みを実施した同社だが、その狙いはどこにあるのだろうか。UX商品企画部門 UX商品企画2部 統括部長の安達晃彦氏に話を聞いた。
ソニーモバイルが発表した新しいスマートフォン「Xperia XZ1」「Xperia XZ1 Compact」はいずれも、同社が強みを持つカメラなど、非常に高い機能と性能を備えているのが特徴だ。
Xperia XZ1を開発した経緯として、安達氏は今年日本でも発売された「Xperia XZ Premium」の存在を挙げる。同機種は、1900万画素のメモリー積載型イメージセンサーで1秒間960コマのスーパースロー撮影ができるカメラや、HDR対応の4Kディスプレー、クアルコムのハイエンドモデル向け最新チップセット「Snapdragon 835」を搭載。下り最大1Gbpsの通信速度を実現するなど、高い性能を備えたプレミアムモデルだ。
そのXperia XZ Premiumが持つ製品としての良さや考え方をより多くの人に届けるために開発したのが今回の2機種だという。プレミアムモデルに合わせた付加価値を作っていくという狙いがあったことから、コンパクトなXperia XZ Compactも、ハイエンドモデルとして開発するのが「自然な流れだった」と安達氏は話す。
Xperia XZ Compactは4.6インチサイズと小さいことから、ディスプレーがHDRに対応していないなど、Xperia XZ1と比べて一部性能が落ちる部分はある。だが、「カメラやチップセットなどを含め、ほぼすべての機能をこのサイズに凝縮した」と安達氏は自信を見せた。
一方で、Xperia XZ1の立ち位置は不明瞭なようにも見える。日本ではXperia XZ1に近いコンセプトのモデルとして、「Xpeira XZs」が販売されているからだ。この点について安達氏は、「Xperia XZsの販売は一部の国に制限されている」と答えており、世界的にはXperia XZ1とXperia XZ1 Compactを、Xperia XZ Premiumの兄弟機種として展開する方針だそうだ。