2017年9月13日、新しいiPhoneが発表された。従来の後継機種となる4.7型の「iPhone 8」と5.5型の「iPhone 8 Plus」、そして10周年記念モデルと呼ばれる5.8型の「iPhone X」の3種類。iPhone 8とiPhone 8 Plusは9月22日に、iPhone Xは11月3日に発売される。
iPhone 8/8 PlusとiPhone Xは、「iPhone 7」や「iPhone 7s Plus」といった従来機種からどれだけ進化しているのだろうか。従来機種や最新Androidスマホと仕様を比べつつ、新型iPhoneのどこが優れているか解説しよう。
背面がガラス製に
iPhone 8/8 Plusは、従来のiPhone 7/7 Plusの後継機種となる。正面から見ると本体のデザインは大きく変わっておらず、違いを区別しにくい。
大きく変わったのは背面だ。素材が従来の金属による一体成形から、金属フレームにガラスを被せる構造に変わった。金属フレームは航空宇宙産業でも使われているアルミニウムを素材に使い、ガラスはこれまでのスマートフォンに採用された中で最も耐久性があるという。
カラーバリエーションは「スペースグレイ」「シルバー」「ゴールド」の3色。従来モデルに比べてバリエーションは減った。内蔵ストレージの容量は、64GBと256GBの2種類のみ。iPhone 7/7 Plusの32GB、128GB、256GBの3種類から、2種類に選択肢が減っている。
一方、iPhone Xは「Super Retina HDディスプレイ」と呼ぶ全面ディスプレーを採用しており、従来のiPhoneと見た目が大きく異なる。カラーバリエーションは「シルバー」「スペースグレイ」の2色。内蔵ストレージの容量は、64GBと256GBの2種類が用意される。
新モデルの性能は?
CPUは全モデルに「A11 Bionic」を搭載する。iPhone 7/7 Plusが搭載する「A10 Fusion」の後継となるチップだ。
A11 Bionicは、4個の「効率コア」と2個の「性能コア」の合計6個のコアを搭載し、作業を効率良く振り分け動作させるという。iPhone 7のA10 Fusionより、4個の効率コアは最大70%、2個の性能コアは最大25%も高速で、ゲームの3Dグラフィックス性能も強化されており、A10 Fusionよりも30%も速いとうたう。
充電方法は従来のiPhoneと同じLightningケーブルによる充電のほかに、全モデルにワイヤレス充電機能が追加された。「Qi」規格のワイヤレス充電に対応しており、各社が発売しているQi規格対応のワイヤレス充電台を用意すれば、iPhoneを置くだけで充電できる。アップルは2018年に「AirPower」という充電台の発売も予定している。
Wi-FiはIEEE802.11acでMIMOに対応し、最大867Mbpsで通信できるのは従来通り。LTEの通信機能はiPhone 7の最大450Mbpsから、全モデルで最大800Mbpsに強化されている。Bluetoothは従来のBluetooth 4.2からBluetooth 5.0対応となった。Bluetooth 5.0対応の周辺機器と高速通信が可能となる。
それでは次ページから、iPhone 8/8 Plus、iPhone Xのスペックを、従来機種やライバルとなるAndroidのスマートフォンと比べつつ詳しく見ていこう。