格安スマホ・格安SIMが今、大きく伸びている。我々のサイト「格安スマホとSIMのすべて」でも最新情報を日々提供しているが、格安スマホ・格安SIMは今後も普及が進むのだろうか。ケータイジャーナリストの佐野正弘氏が、有力プレーヤーへの取材を基に解き明かす。

 格安スマホの人気と共に、攻勢を強めているのが、外資系やベンチャーを主体とした、SIMフリーのスマートフォンを提供するメーカーだ。なぜ今、スマートフォンメーカーがSIMフリー市場で勝負をかけようとしているのか。また、今後市場を拡大していくには何が必要と考えているのか。SIMフリースマートフォンで人気の「ZenFone」シリーズを提供するASUS JAPANに話を聞いた。

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「SIMフリー」に勝機を見出しつつあるメーカー

 昨年より急速に盛り上がりを見せている、仮想移動体通信事業者(MVNO)のSIMと、スマートフォンをセットで販売する“格安スマホ”。その格安スマホの重要な構成要素の1つとなるのが、SIMフリーのスマートフォンだ。

 実は今年に入って、そのSIMフリースマートフォンを提供するメーカーが増え、選択肢が急速に増えている。従来よりSIMフリー端末に力を入れるファーウェイやZTEに加え、最近では「ALCATEL ONETOUCH」ブランドで世界的にスマートフォンを販売しているTCLコミュニケーションなど中国メーカーの参入が相次いでいるほか、「FREETEL」ブランドでSIMフリー端末を提供するプラスワン・マーケティングなど、SIMフリースマートフォンにチャンスを見出す国内のベンチャー企業も着実に増えている。

 しかしながら、日本で格安スマホの市場は立ち上がったばかりだ。SIMフリースマートフォンに力を入れているのは一般層に知名度が低いメーカーが多く、キャリアが販売するものと比べると、その販売数も圧倒的に少ない。

 また、多くのSIMフリー端末は海外で生産・販売している端末を日本に持ち込んでいる関係上、日本向けのローカライズが不十分だ。例えば国内の主要な周波数帯に十分対応し切れておらず、特に地方でパフォーマンスを発揮できないなどの問題点も多く見受けられる。そうしたことから、国内で現状のSIMフリースマートフォンがすんなり受け入れられる土壌が整っているかというと、まだそうではないというのが現状だ。

 それにもかかわらず、SIMフリー市場を目指して端末メーカーの参入が相次いでいるのはなぜなのか。そして、彼らはどこに勝機を見出しているのだろうか。そうした疑問を、「ZenFone」シリーズで人気を博し、SIMフリースマートフォン市場で存在感を高めている、ASUS JAPANの部長である滕婉華氏と、営業2課 課長の村上智実氏に話を聞いた。

ASUS JAPANの滕婉華氏(左)と村上智実氏(右)
ASUS JAPANの滕婉華氏(左)と村上智実氏(右)
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