この6月、東京・表参道の目抜き通りに新たな旗艦店「アップルストア表参道」をオープンしたアップル。3面の壁を総ガラス張りにした外観は、世界に名だたる一流ブランドショップが軒を連ねる表参道でも飛び抜けた存在感を誇る。オフィス街のスターバックスに足を運べば、コーヒーを片手にMacBook AirやiPadを使うビジネスパーソンが何人も目に入るのも、都心部ではすでにおなじみの光景となった。

6月にオープンしたアップルストア表参道。ガラス張りの外観は、都会的で洗練された印象が漂う
6月にオープンしたアップルストア表参道。ガラス張りの外観は、都会的で洗練された印象が漂う
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木製の広々としたテーブルにMacやiPadなどの製品が並べられて自由に試せるのは、アップルストアでおなじみのスタイルだ
木製の広々としたテーブルにMacやiPadなどの製品が並べられて自由に試せるのは、アップルストアでおなじみのスタイルだ
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 とかく都会的な印象がつきまとうアップルだが、国内では意外ともいえる戦略を進めている。地方重視の姿勢だ。新型iPhoneや新OS Xの登場を前に、アップルがどのような狙いで地方重視の戦略を進めているのだろうか。

地方の量販店内に続々と設けられる「Appleショップ」

 アップル製品を専門に取り扱う店舗といえば、まずアップル直営のアップルストアが挙げられる。前述の表参道をはじめ、銀座や渋谷、札幌、心斎橋、福岡など、全国に9店舗を展開する。東名阪をはじめとする主要都市はほぼカバーしているものの、地方都市がまったく手つかずとなっているのが弱点だ。

 それを補うために精力的に設置が進められているのが、ショップインショップ型の「Appleショップ」だ。ヤマダ電機やエディオン、ケーズデンキ、ノジマなど全国の主要な家電量販店内に設けられたコーナーで、アップル製品を専門に取り扱う。各量販店で全国をくまなくカバーしており、すでに140店舗を展開している。