NTTドコモなどの大手携帯電話会社(大手キャリア)よりも通信料金が安いことから人気を集める「格安SIM」。格安SIMの通信エリアは設備を提供するNTTドコモやauと変わらず、また通信速度もNTTドコモと同じ「最大375Mbps」とうたう格安SIMもある。
だが、最大通信速度はあくまでもカタログ上の数値であり、実際はこれよりも遅くなる。特に格安SIMの通信速度は、ネットワークの帯域や設備の状況、時間帯や地域性などの影響を受けやすい。そのため、同じNTTドコモの通信網を使っている格安SIMの間でも、通信速度が異なるのだ。
そこで格安SIMの通信速度の実態を探るべく、日経トレンディネットの専門サイト「格安SIMとSIMフリースマホの選びかた」では、格安SIMを実際に契約して7月上旬に通信速度を測定した。
2016年5月に実施した前回の速度テスト「どこが速い? 格安SIMの通信速度ランキング【16年初夏】」に続き、今回も「IIJmio」「楽天モバイル」「イオンモバイル」「OCN モバイル ONE」「U-mobile」「BIGLOBE SIM」「mineo(Dプラン)」「FREETEL SIM」の8つの主要なサービスの通信速度を実測した。
速度を測定した場所は、人口密集地である都内の新宿駅周辺と秋葉原駅周辺、および地方都市の長野県佐久市佐久平駅周辺の3カ所。通信速度が出やすい平日の朝9時台と、通信速度が遅くなる平日の昼12時台に測定した。実施日は都内の2カ所が7月8日(金)、佐久平駅周辺が7月4日(月)となる。
測定にはASUS(エイスーステック・コンピューター)の「ZenFone 2 Laser(ZE601KL)」を使用した。通信速度の計測にはイードの「RBB TODAY SPEED TEST」を用い、各地点にて5回計測した速度の平均値を算出。5回のうちの最大値と最小値も紹介する。
ただし、速度測定アプリでは設備が発揮できる最大の速度しか計測していない。格安SIMではアプリごとに通信帯域を調整する場合もあることから、アプリでの測定結果と実使用での速度結果とが一致しないこともある。
そこで実際の利用環境の例として、YouTubeの動画再生時における通信速度を記録した。AndCreateの「通信量・通信速度モニター」を用いて1秒ごとの最大通信速度を画面上に表示した状態で動画を再生し、その様子を録画することで再生中の通信速度を記録した。
YouTubeでの速度は、アプリで算出された通信速度と比べやすくするため、毎秒の通信速度を集計して、動画の読み込みが終了するまでの平均速度を算出した。こちらの数値も参考にしてほしい。