米アップルは2015年6月30日(現地時間、日本時間は7月1日午前0時)、定額制音楽配信サービスの「Apple Music」を開始した(図1)。Apple Musicは、月額980円(税込、ファミリープランは1480円)で音楽が聴き放題になるサービスだ。Mac OSやWindows向けの、あるいはiOSに付属する音楽やビデオの再生ソフト「iTunes」で利用する。今だと登録から3カ月間無料で利用できる。今秋にはAndroid向けにもサービスが開始されるという。

●Apple Musicの「New」画面
●Apple Musicの「New」画面
図1 Apple Musicの「New」画面。お薦めの新譜を表示する。画面はiPadのもので、デスクトップやiPhoneの表示レイアウトとは異なる。画面上部にある「オルタナティブ」はジャンルを示していて、タップして変更できる
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 本稿では、従来iTunesで毎日15時間ほど音楽を聴いてきた筆者が、Apple Musicから得た「幸福感」と、Apple Musicを通して考えたデジタルコンテンツの未来について書きたいと思う。

毎日15時間音楽を聴く生活

 ところで今「毎日15時間ほど音楽を聴いてきた」と書いたが、誇張ではない。私は毎日6時半には自宅を出て、徒歩で30分弱かけて事務所に向かう。歩いている間はiPhoneで音楽を聴く。私の毎日の音楽ライフはこの徒歩出勤から始まる。

 事務所に着くのが7時ごろで、自動起動の設定をしているiMacは既に立ち上がっている。仕事を始める前にiMacに入っているiTunesから音楽をかける。事務所には夜の7時ごろまでいるから、以後だいたい12時間音楽をかけっ放しにしている(ちなみに昼食は愛妻弁当なのだ。だから事務所で食べる)。

 Apple Music以前は、iTunesに1万8641曲が入っていた。これは24時間聴き続けて73.2日かかる音楽量だ。ジャンルはマイナーなものが中心で、最近はテクノ、エレクトロニック、ダウンテンポ系をよく聴く。普段はアルバム単位でシャッフルをかけて音楽をかけっ放しにしていた。新譜や聴きたくなったアルバムは「次はこちら」(この機能については後に解説)に登録して聴く。

 仕事が終わって家路に着く間も、もちろんiPhoneで音楽を聴く。帰宅したら風呂に入り食事を取る。テレビはほとんど見ない。たまに午後9時から始まるNHKのニュースを途中から見る程度だ。自宅ではiPhoneをステレオにつないで音楽を聴く。

 11時過ぎに寝て翌日も上記の繰り返しだ。昔は就寝時まで音楽をかけていたが、嫁さんから「うるさい」と叱られて以来、寝ながら音楽は聴かない。休日は1時間ほどかけて風呂に入る。その間もスピーカー内蔵の防水ケースにiPhoneを入れて音楽を聴く。