あなたの会社で近いうちに、人事や経理といった社内システムの改修やクラウド導入を予定していないだろうか。そこに思わぬ落とし穴がある。そのシステムで、マイナンバーを利用できるようにしておく必要があるからだ。そうでなければ、設計のやり直しや再改修を迫られる恐れがある。

図●マイナンバーのスケジュール
図●マイナンバーのスケジュール
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 マイナンバー制度のスタートまで、あと1年5カ月あまり。2015年10月に、各自治体から住民票を持つ住民に番号が通知され、2016年1月から利用が始まる。どの企業でも、パートやアルバイトを含む従業員のマイナンバーを集める必要がある。源泉徴収や企業年金の手続きで、番号を記載しなければならないからだ。(関連記事:えっ、うちの会社にも関係あるの!?──もう始めないと間に合わない!マイナンバー対応)。

 表面化していないが、マイナンバーへの対応を考慮しないまま経営役員会でシステム更改の了承をとりつけてしまって、あとで見直しを迫られたという企業もあるようだ。パートやアルバイトといった雇用形態が多い流通や運輸、外食のほか、社外に講演料や原稿料など謝金を払うことが多い業種では、さらに詳細な準備が必要になる。システム対応だけでなく、なりすましを防ぐため本人確認の手順などを決める必要があるからだ。

 中には、マイナンバー関連の事務を外部に委託することを検討している企業もある。ただ、それにも課題はある。適切な管理や監督ができるかどうか、判断を迫られる。個人情報の漏洩リスクを考えて、海外企業に委託していいのかどうか悩んでいる企業もある。