デジタル機器を何年か使い込んで行くと交換したハードディスク、USBメモリーなどが余ってくる。筆者のデスクの引き出しにも64GBのUSBスティック、500GBの2.5インチドライブ、128GBのSSDなどがゴロゴロ。そんな遊休資産を有効活用する意味でも面白い製品がある。USBドライブをポートに挿すだけで、インターネットからもアクセスできるCloudストレージになる。スマホの容量不足に悩む人にもこれは有益な解法になるだろう。
小さく、軽い。電源のないところでも使える
今回紹介するのは手のひらに載るほどの小さな「ネットワーク機能付きUSBドライブアダプター」だ。Wi-Fi、Ethernet LANを備えたUSBドライブアダプターだが、ただ単に1対1でつながるのではなく、複数の端末から接続でき、しかも、きちんと設定すれば、外出先からそのストレージにアクセスできる。しかも、一切のネットワーク接続線を用意しなくてもよいところが素晴らしいところだ。
要するに、USBドライブをUSBポートに接続するだけで、どこからでもアクセスできるネットワークドライブになる。「なんちゃってクラウド」がいとも簡単に構築できるのがいい。
どこまでが商品名なのかよく分からないが「USB HDD活してCloud USBストレージ to LAN/Wi-Fi変換アダプター(CWFL-U2CL)」。以後、面倒なので、「いかしてCloud」と呼ばせていただく。直販サイトでは7535円(税込み)で販売している。既にストレージを持っている人なら、これだけで完結。まあ、お手ごろ価格といえるだろう。
以前紹介した「ポケドラCloud」も似たような商品だが、USBハブを通して最大6台までのUSBデバイスが接続可能というのだから、自由度がはるかに高い。しかも、消費電力が少なく、USB電源からの供給で動作するので、例えば消費電力が少ないSSDなどを使えば、電源のない場所で、バッテリー接続で使える。これはなかなかの優れものだ(関連記事:パーソナルクラウドを持つ自由、「ポケドラCloud」)。
例えばUSBドライブケースに収めた128GBのSSDを、iPhoneやiPad向けに売られているごく普通のバッテリーを使えば、写真のように飾り棚の上にちょこんと置くだけでストレージを活用できる。写真はTargusの4800mAhのバッテリーを接続して運用しているところだが、6時間以上問題なく動作した(図1)。
マニュアルによると外部ネットワークからLAN内のこの装置にアクセスするには有線LAN接続が必須、と書かれていたが、この状態で携帯電話網からでも問題なくアクセスでき、写真、音楽はもちろん、1080pのフルHD動画が再生できた。意表をつく好結果だ(図2)。