格安スマホ・格安SIMへの乗り換えを考えるユーザーが不安に感じることの一つが、サポート体制だ。

 大手携帯電話会社は全国各地にショップを構え、契約やプラン変更の受け付け業務を行う。さらにこのショップは、購入した端末の初期設定から、故障時の対応まで行うサポートサービスの窓口も果たしている。

 では、格安スマホ・格安SIMを提供する主要MVNO(仮想移動体通信事業者)はどうなっているのだろうか。各社のサポート体制を調べた。

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自社店舗を用意するMVNOはまだ少ない

 まず、自ら店舗を構えるMVNOは少ない。3月上旬時点ではイオンモバイル、FREETEL SIM、mineo、U-mobile、楽天モバイルの5社しかない。さらに基本的には店舗数も多くなく、例えばmineoはJR大阪駅近くの商業施設「グランフロント大阪」内の1店のみだ。

 リアル店舗や専用コーナーの設置に積極的なのは、イオンモバイルとFREETEL SIM。2月からMVNO事業に参入したイオンモバイルは、全国213のイオンに専用コーナーを設け、「サポート体制の充実」も売りに掲げる。FREETEL SIMは、ヨドバシカメラとタッグを組んで、3月上旬時点では全国11店舗のヨドバシカメラ内に専用コーナー「FREETELコーナー」を設けている。

 では、各MVNOの自社店舗や専用コーナーでは、どのようなサポートに対応するのか。以下の表にまとめた。

自社店舗・コーナーでのサポート体制
APN設定 アドレス帳移行 Gmail設定
イオンモバイル ○/購入者無料 × ×
FREETEL SIM ○/購入者無料 △/応相談 △/応相談
mineo ○/購入者無料 △/応相談 △/応相談
U-mobile ○/購入者無料 △/応相談 △/応相談
楽天モバイル ○/購入者無料 △/応相談 △/応相談


 結果から言うと、MVNOの直営店舗でのサポートサービスは現状、SIM購入のときに必要なAPN設定(データ通信を行うための設定)のみというケースが多い。個人情報に関わる部分の設定や「アドレス帳の移行などデータ破損が生じる可能性があるサービスは基本行えない」(某直営店のスタッフ)。ただし、場合によっては、店舗スタッフがユーザーに簡単なガイドをしてくれる場合もあるという(上記の表では「応相談」として表記)。

イオンモバイルでは、イオンモバイルで購入した端末が故障した場合には、代替機を貸し出すなどサポートメニューを整えている
イオンモバイルでは、イオンモバイルで購入した端末が故障した場合には、代替機を貸し出すなどサポートメニューを整えている
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自社施設を徐々に増やしている楽天モバイルとU-mobile
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自社施設を徐々に増やしている楽天モバイルとU-mobile
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自社施設を徐々に増やしている楽天モバイルとU-mobile