2016年2月1日、スマホ売り場からMNP(携帯電話番号ポータビリティ、他社への乗り換え)契約のキャッシュバックが一斉になくなった。就職・入学でにぎわう春商戦にもかかわらず、スマホ売り場を訪れる人の数も大幅に減った。

 理由は明確で、総務省がMNP契約に対するキャッシュバックや、スマホの本体価格を下回る値引き販売に対して規制をかけたのが原因。その結果「MNPを使って他社へ移行すると毎月のスマホ料金が大幅に安くなる」という構造はなくなった。

 もとは安倍首相の携帯電話料金値下げ指示で始まった総務省の施策だが、一般的なスマホ利用者にとっては最新スマホを安く利用できる機会を奪われることになってしまった。

iPhone 6の場合、2016年1月まではMNPで64GBモデルが一括0円にキャッシュバック3万円がついた。だが、2月からは16GBモデルがスマホを下取りに出したうえでの一括0円となった。実質、4~5万円値上がりしたこととなる
iPhone 6の場合、2016年1月まではMNPで64GBモデルが一括0円にキャッシュバック3万円がついた。だが、2月からは16GBモデルがスマホを下取りに出したうえでの一括0円となった。実質、4~5万円値上がりしたこととなる
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2年前より性能が低い最新スマホもある

 一方、このキャッシュバック規制の影響で、店頭では機種変更の値下げが始まりつつある。機種変更とMNPの価格差が1万円前後になり、手数料を含めた支払い総額は機種変更とMNPでほぼ変わらなくなってきた。

 特に安くなっているのは、型落ちを含む一部のハイエンド機種と、近年増えつつあるローエンド機種だ。このうち、ハイエンド機種の多くは2年前のスマホより高性能だが、今のローエンド機種のほうは2年前のスマホより性能が低いことも多いので注意したい。

Xperia Z1 arrows Fit
発売時期 2013年10月 2015年10月
画面 5インチフルHD
(1080×1920ピクセル)
5インチ
HD(720×1280ピクセル)
CPU MSM8974(2.2GHz/4コア) MSM8916(1.2GHz/4コア)
カメラ 2070万画素 810万画素
今のローエンド機種は2年前のスマホより性能が低い
2年前(2013年10月発売)の「Xperia Z1」と、最新のローエンド機種(2015年10月発売)「arrows fit」を比較。2年前のハイエンドと最近のローエンド機種を比べた場合、2年前のハイエンドスマホのほうが高性能であることが多い


 今後、大手キャリアのラインアップは、ミドルやローエンドのスマホが増え、ハイエンド機種は減ると見られている。そうなると、高性能なハイエンドスマホを特価で購入する機会も少なくなる。もし機種変更を考えているなら、型落ちハイエンドを安く購入できるこの2016年3月の春商戦で買い替えてしまおう。