ここ数年で「心拍トレーニング」の注目が高まっている。心拍トレーニングとは、心拍数を計測しながらランニングなどのトレーニングを行う方法のこと。心臓に対する負荷をチェックしながら運動することで、安全かつ効率的に心肺強化を図ることができる。この手法自体はアスリートを中心に昔から利用されているが、最近は心拍数や脈拍数を計測できる機器が増えており、より手軽に心拍トレーニングができるようになってきた。

※心拍数と脈拍数の違い……心拍数は心臓の拍動数を計測したもの、脈拍数は腕などの動脈の拍動数を計測したものという違いがある。不整脈などの疾患がない限り、基本的には同じものと考えてよい。

 心拍数を計測するものとして、以前はチェストベルト(胸に巻くベルト)に心拍計を装着したものが用いられていたが、最近ではリストバンドタイプなども増えている。今回紹介する「Jabra Sport Pulse Wireless」は何と、Bluetoothイヤホンと一緒になっており、耳で脈拍を計測できるというタイプのものだ。

GNネットコムジャパンが2014年12月に発売した心拍計内蔵Bluetoothイヤホン「Jabra Sport Pulse Wireless」(実勢価格2万5690円)。
GNネットコムジャパンが2014年12月に発売した心拍計内蔵Bluetoothイヤホン「Jabra Sport Pulse Wireless」(実勢価格2万5690円)。
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心拍トレーニングって何?

 なぜ心拍数を計測しながらのトレーニングが有効なのかというと、運動が体に与える負荷を客観的に捉えることができるためだ。例えば、時速20km程度で2時間以上もの長時間を走り続けることができるマラソンのオリンピック選手と、42.195kmのフルマラソンを6〜7時間で完走したいという市民ランナーでは、同じ「時速10kmのランニング」でも心臓にかかる負担(これを「運動強度」と呼ぶ)が異なる。無理なく無駄なく運動能力強化を図るためには、人それぞれに合ったトレーニングをする必要がある。その指標が運動強度であり、そのベースになるのが心拍数というわけだ。