ラジオ講座や通信講座などで「英会話」を学び始めてみたものの、途中で挫折したという方は少なくないのでは。そうした方にお勧めするのが、「英会話」ではなく電子メールなどの「英文」によるコミュニケーション力を高めることです。

 システム開発・運用における作業指示や進捗管理、状況確認などの多くは、電子メールや指示書といった文字によるコミュニケーションで事足りるケースが少なくありません。英文によるコミュニケーションは、会話と違って適宜、辞書などで調べながら進めることもできます。発音などに気をつける必要もないので、英会話が苦手な方でも「とっつきやすい」という利点もあります。

 しかし、舐めてかかると痛い思いをします。似たような意味を持つ単語であっても、単語の選び方と使い方を誤ると、あらぬ誤解を招いたり、相手を怒らせてしまったりするからです。作業ミスやトラブルの原因にもなりかねません。

 そこで今回の週末スペシャルでは、「英文ライティング実践講座 ~システム開発・運用での伝達ミスを防ぐ」の講師を務める赤羽根弥生氏と幸地司氏が、システム開発・運用の現場で役立つ英文ライティングについてQ&A形式で解説します。


【問題】TV会議の最中に「その資料をください」とチャットで伝えたい

 海外の協力ベンダーとシステム開発プロジェクトを進める場合、TV会議がよく用いられます。最近はパソコンを使ったTV会議を使うケースも増えており、動画会議と並行してチャットでメンバー同士が議論するケースも珍しくありません。そうしたシーンを想像してください。

 TV画面の向こう側では、あなたが持っていない資料を手に説明しています。あなたは相手の会議メンバーに「「それ(資料)をください」とチャット海外パートナーに英文のショートメッセージを送ろうと思いました。その場合の適切な表現は、次のどれでしょう。

(1)May I have it?.
(2)May I have one?
(3)May I have that?
(4)May I have another one?

 正解と解説は次のページです。