写真家の三井公一氏に注目の最新デジカメをいち早く試してもらい、撮って出しの実写画像を紹介する連載。今回は、スマートフォン「GALAXY」でよく知られるサムスン電子のミラーレス一眼「NX1」を紹介する。独自のNXマウントを採用するAPS-C型の高性能モデルで、高速連写などの撮影性能や操作性を重視したシリーズのフラッグシップモデルだ。韓国をはじめとする海外ではすでに販売が始まっており、韓国では予約しないと購入できない状況が長く続くほどの人気を集めたという。そのような状況にもかかわらず、日本での発売はまったくの未定となっている。世界で話題を集める高性能ミラーレス一眼の隠れた実力を、三井氏に実写リポートしてもらった。

 昨年、ドイツで開催されたカメラ機器の展示会「フォトキナ」で発表された、サムスン電子の新型ミラーレス一眼「NX1」を手にする機会に恵まれた。スペックは国産の最新ミラーレスをしのぐほどで、使用感もかなりのものであった。

2014年秋に海外で販売を開始したサムスン電子のミラーレス一眼「NX1」。米国での価格は、ボディー単体モデルが1499ドル(約17万7000円)、写真の標準ズームレンズ「16-50mm F2-2.8 S ED OIS」付きのキットモデルが2799ドル(約33万円)
2014年秋に海外で販売を開始したサムスン電子のミラーレス一眼「NX1」。米国での価格は、ボディー単体モデルが1499ドル(約17万7000円)、写真の標準ズームレンズ「16-50mm F2-2.8 S ED OIS」付きのキットモデルが2799ドル(約33万円)
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 NX1で注目したいスペックは、ざっとこんな感じだ。

▼APS-C型の2820万画素裏面照射型CMOSセンサー
→一般的に、裏面照射型というともっと小さいサイズのセンサーで、コンパクトデジタルカメラに採用されることが多い。裏面照射型ながらAPS-C型の大型タイプを採用した点は注目できる

▼従来機から大幅に高速化された画像処理エンジン「DRIMe V」
→ミラーレス一眼としては高速な15コマ/秒の連写を実現した

▼205点の全面位相差AF
→オートフォーカスはなかなか素早く正確だと感じた

▼タッチ操作に対応したチルト式の背面モニター
→パネルは3型の有機EL(約103万ドット)。表示は見やすく操作も軽快

▼動画は4Kに対応(24fps、H.265)

▼厳しい環境でも撮影を可能にする防塵防滴ボディー

▼iOSとAndroidに対応したWi-FiとBluetooth機能

▼NXマウントに対応した大口径の明るいズームレンズ2本
→標準ズームレンズ「16-50mm F2-2.8 S ED OIS」と望遠ズームレンズ「50-150mm F2.8 S ED OIS」