KDDI(au)は2015年1月19日、春商戦に向けた新製品・サービス発表会を実施した。VoLTE対応機種を増やしただけでなく、シニアや子供などに向けたスマートフォン、そして、Androidを搭載した折りたたみ式のフィーチャーフォン(従来型携帯電話)「AQUOS K」を提供するなど、端末面を中心に新しいチャレンジを進めている。そんなauの狙いはどこにあるのだろうか。
シニア向けスマートフォンを遂に投入
携帯電話3キャリアの中でも、最大の商戦期となる春商戦に合わせて新製品を投入するなど、力を入れているのがauだ。そのauはさる1月19日、新製品・サービスの発表を実施した。春商戦に向けた新戦略を発表している。
中でも今回、auが力を入れていたのは端末だ。auは冬商戦では、LTEネットワーク上で音声通話ができる「VoLTE」を用いた音声通話サービス「au VoLTE」を導入したことを強くアピールしていたが、一方で、対応する端末が「isai VL」「URBANO」の2機種のみであるなど、対応端末の少なさが、マイナスのイメージを与える側面もあった。
そこで今回の新製品発表会では、au VoLTEに対応したスマートフォン3機種を追加。冬商戦向けの2機種と合わせて5機種をそろえたことで、ユーザーの選択の幅がようやく広がった。ちなみに、今回追加された3機種は、auの人気シリーズ「INFOBAR」の最新モデル「INFOBAR A03」をはじめとして、ディスプレーサイズが約4.5インチのコンパクト・ハイエンドスマートフォン「AQUOS SERIE mini SHV31」、そして、au初のシニア向けモデルの「BASIO KYV32」だ。
これらの中でも、特に注目されるのが、BASIOだ。auは従来シニア向け端末は用意せず、シニアにも受け入れられる端末として、「URBANO」シリーズを提供。「auスマートサポート」などサポート面の強化で、使い方を理解してもらう取り組みを進めてきた。それだけに、このタイミングで、他社に追随してシニア向け端末を投入してきたのには、大きな戦略上の変化を感じずにはいられない。
KDDIの田中孝司社長によると、その理由として、やはり、50~60代以降の世代におけるスマートフォンの普及率が低いことを挙げている。スマートフォン利用の間口を広めるためには、サポート面のアピールだけでなく、端末面でも“シニア向け”であることを明確にする必要があると判断し、BASIOの投入に至ったといえそうだ。