今年2016年4月より実施される電力自由化に合わせて、携帯電話大手各社が相次いで、電力サービスの提供と、それらと携帯電話をセットで契約することで料金を割り引く“セット割”を発表している。だが実際のところ、各キャリアの電力サービスは、ユーザーにとってどの程度お得感なのだろうか。

ソフトバンクは東京電力のサービスを踏襲

 昨年2015年、NTT東西の光ブロードバンド回線の卸売が解禁されたことで、携帯電話キャリアは相次いで光回線サービスの提供を開始した。それと共に、携帯電話と光回線サービスをセットで契約することで割引が受けられる“セット割”も相次いで開始している。この分野では、自社で光回線を敷設しているKDDIが「auスマートバリュー」で先行していた。しかし、光回線の卸売で他社もそれに追いつき、固定・携帯のセット契約競争が急速に進んだ。

 そして今年は、光回線に続いて電力と携帯電話との契約による新たなセット割が登場することになる。従来、各地域の電力会社が独占してきた電力の提供が、今年4月から自由化されるため、携帯電話キャリアも電力サービスの提供を相次いで発表しているのだ。

 その先陣を切ったのが、ソフトバンクである。同社は1月12日、電力サービス「ソフトバンクでんき」の発表会を開き、電力サービスの内容について発表した。同社は傘下に、自然エネルギーによる電力事業を展開する会社であるSBパワーを持っているが、今回のサービスに関しては、以前から発表されていた東京電力との契約により、東京電力の電力サービスをソフトバンクが販売する形となるようだ。

 実際、ソフトバンクでんきの料金プランを見ると、東京電力が電力自由化に向けて新たに発表した単身者や共働き向けの「スタンダードプラン」と、大家族向けの「プレミアムプラン」の2種類が提供される。また、利用料金に応じて1000円当たり5ポイントのTポイントが付与される点も、東京電力の料金プランの仕組みと変わりはない。

ソフトバンクは2016年1月12日に電力サービス「ソフトバンクでんき」を発表。基本的には東京電力の電力サービスに、独自のプランや割引を加えて提供する形となる。写真は1月12日のソフトバンクでんき発表会より
ソフトバンクは2016年1月12日に電力サービス「ソフトバンクでんき」を発表。基本的には東京電力の電力サービスに、独自のプランや割引を加えて提供する形となる。写真は1月12日のソフトバンクでんき発表会より
[画像のクリックで拡大表示]