米Googleは2015年1月15日(米国時間)、めがね型ウエララブルデバイス「Google Glass」のプロジェクトを次世代製品研究部門「Google X」から切り離すと発表し、ベータ版Google Glassの販売を1月19日(同)に停止した。これを受けて一部のメディアでは、「GoogleはGoogle Glassの一般向けの発売を中止し、法人向けに活路を見いだそうとしているのではないか」といった報道がなされている。

 それに対して、ITproで『シリコンバレー最新先端技術報告』を連載している米ベンチャークレフ社代表の宮本和明氏は、必ずしもそうではないと言い、Google Glassに失敗の烙印を押すかのような報道には違和感を感じるという。今回のGoogleの決定と今後のGoogle Glassの展開について、宮本氏に緊急寄稿してもらった。

(ITpro)


 Google Glassプロジェクトはどこに向かうのか――。今、国内外で様々なメディアが憶測を含めて報道している。

 だが、筆者がGoogleから受け取ったメールによると、Googleは「Google Glass」(以下、Glass)の新モデルを開発中ということだ。今年中にもリリースされるという噂もある。Glassプロジェクトは、中止されたり方向が変わったりするわけではなく、これまで学習してきた問題を解決する、新モデルが投入される予定だ。

出典: VentureClef
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Googleから届いたメール

 1月15日に筆者は、GoogleからGlassプロジェクトに関するメール「Thanks for Exploring with Us」を受信した(上の写真)。Googleはこのメールで、プロジェクトの方針について説明している。ここには四つのメッセージが書かれている。(1)GoogleはGlassについて多くのことを学び、(2)Google Xを卒業し、(3)Glass新バージョンを開発中で完成次第リリースし、(4)Explorer Edition(ベータ版製品)の販売を中止する。同時にGlass“卒業アルバム”も添付されている。

 このメッセージを“翻訳”すると、GlassはGoogle Xでの実験プロジェクトから、正式製品に格上げされる。ニュース報道などによると、Tony Fadell氏が総責任者となり、プロジェクトを統括するという。同氏は米AppleでiPod事業を立ち上げ、現在はNest Labs製品の総責任者。この新体制の下、次世代Glassを開発中で、新製品は今年中にも発売されるとの噂だ。これに伴い、現行Explorer Editionの販売は中止された。