2016年は「HUAWEI P9」や「iPhone 7 Plus」など背面に2つのカメラを搭載したスマートフォンが人気となった。これらは、レンズとセンサーからなるユニットを2つ搭載していることから、一般に「ダブルレンズ」「デュアルカメラ」などと言われている。今年も2つ以上のカメラを搭載して差異化を図るメーカーは増えると見られる。複数のカメラをどのように活用するかが今後のスマートフォンの進化を左右することになるかもしれない。
2つのカメラを搭載したスマートフォンが人気に
ここ数年、スマートフォンの進化は停滞していると言われてきた。しかし昨年は再び進化する“芽”がいくつか登場した。そのうちの1つがカメラだ。
スマートフォンのカメラはこれまで背面と正面に1つずつ搭載されていた。だが、昨年は背面に2つのカメラを搭載し、「ダブルレンズ」「デュアルカメラ」などとうたう機種が相次いで発売され人気となった。
実はそうしたスマートフォンは以前からあった。2014年にauが投入したHTC製端末「HTC J butterfly HTL23」や、2015年に楽天モバイルが独占販売したファーウェイの「honor6 Plus」などがそうだ。
これらの機種が2つのカメラを搭載する理由は、一方のカメラで被写体との距離を測定することで、一眼レフカメラのように背景をぼかした“ボケ味”のある写真を撮影できるようにするためだった。
一方、昨年発売された機種は、2つのカメラをボケ味以外にも活用したことで人気となった。
例えば、昨年SIMフリー市場でヒットしたファーウェイの「HUAWEI P9」は、ライカと共同開発したレンズを採用したカメラを2つ搭載。一方のカメラがカラー画像を、もう一方がモノクロ画像を撮影する仕組みになっている。モノクロ画像用カメラは、ライカのカメラらしい、美しく味わいのあるモノクロ写真が撮影できるのが特徴だ。
また、昨年話題となったアップルの「iPhone 7 Plus」は倍率が異なる2つのカメラを搭載し、切り替えて撮影することで、2倍ズーム相当の望遠撮影が可能になる。ズームに弱いスマートフォンのカメラの弱点を補う機能として注目された。