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上山信一の「続・自治体改革の突破口」

第180回 市場移転問題、なぜ拙速な判断は賢くないのか?(上)

上山 信一=慶應義塾大学総合政策学部教授 2017/09/07 日経BPガバメントテクノロジー
出典:メールマガジン「日経BPガバメントテクノロジー・メール」2017年6月12日配信号
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 東京都の築地市場の移転をめぐる議論が盛んだ。2016年11月に知事はいったん豊洲への移転を中止した。その後、あるはずの盛り土がなく、ないはずの地下水と汚染物質があるなどの事実が露見した。「延期は正しかった」と多くの人が思った。

 しかし最近は「さっさと本格移転を決めるべき」「決められない知事」といった厳しい意見が出ている。確かにはっきりしないと業者は困る。業者に対する移転延期の補償もかさむ。有害物質の懸念もどうやら地下空間の軽微なものに限られるという見込みも一部に出てきた。これらを根拠に早く決めろと主張される識者も出てきた。

 だが知事はまったくぶれない。2016年11月に決めたロードマップに従い、専門家会議等の意見も参考にして決めるという方針を変えない。また安全・安心の問題だけでなく、「総合的判断」によって決めるという。だが判断保留の是非を巡っては外野が騒がしい。そこで今回は公開文書を手がかりに私なりの論点整理をしてみたい。

豊洲移転か築地再整備か

 さっさと豊洲に移転すべきという人たちの主張はわかりやすい。 第1に5800億円も費やした建物がもう完成しているのに使わないのはもったいない。第2に築地は古く汚く危険だから早く引っ越すべきだ。第3に築地が移転しないと環状2号線の建設が遅れオリンピックに間に合わない。第4に築地の再整備は過去に2回挑戦したが事業者の足並みがそろわなかったと主張する。

 一方、築地再整備派はこう言う。第1に豊洲は都心から離れ、買い出し人や仲卸にとって使い勝手が悪い、世界の築地ブランドも失われる。第2に豊洲は取扱量が減る中、面積が過大なうえ全館空調などは無駄だし仕様も時代遅れで使い勝手が悪い。第3にそもそも安全性に懸念が出た土地で生鮮食品を扱うべきでないともいう。そして第4に使用料で維持費がまかなえず年間100億円程度の赤字を垂れ流すと指摘する。

 さらに一部には、「豊洲の土地取引の不透明性、建物建設の際の談合の疑いをよく見よう。やたらに移転をせかす人たちは、もしかしたら築地の土地売却や建設がらみの利権を目当てにしているのではないか、怪しいのではないか」というものもある。

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