(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)
(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)

今回の回答者:
KDDI プラットフォーム開発本部
ホームアクセスプラットフォーム開発部
アクセスシステム開発グループリーダー
堀内 幸夫

 FTTH(Fiber To The Home)では、家に置かれたONU(Optical Network Unit)と呼ばれる光回線終端装置まで光ファイバーが引き込まれています。このONUまで光信号が届いています。

 ONUから上流にたどってみましょう。パソコンなどからのデータは、ONUで光信号へ変換され、収容局へ転送されます。収容局では、OLT(Optical Light Terminal)と呼ぶ機器につながります。1台のOLTは複数のONUと通信します。ONUからの光信号が重ならないように、時分割多重アクセス(TDMA:Time Division Multiplexing Access)制御をするため、OLTではいったん電気信号に変換します。

 次に収容局と地域通信拠点となるセンター局を結ぶ「メトロネットワーク」へ向かいます。その次のセンター局間は、「コアネットワーク」で接続しています。これらは、1本の光ファイバーで複数の光信号を伝送する波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)通信が使われます。メトロやコアの各ネットワーク内は光信号のまま伝送されますが、各ネットワークの接続点でいったん電気信号に変換します。ルーティングなどの制御のためです。海外と通信する9000kmにおよぶ海底ケーブルも光ファイバーで、WDMが使われています。

 コアネットワークや光海底ケーブルでは伝送距離が長いため、光信号中継が必要です。ここでは電気信号に変換せず、光信号を光のまま増幅できる光アンプを使っています。