(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)
今回の回答者: ユニアデックス システムマネジメントサービス事業本部 システムサービス第三統括部 ネットワークソリューション二部 課長 岩崎 世行 第四課 穂積 隆彰 |
PoE(Power over Ethernet)とはLANケーブルで電力を供給する技術のことです。IP電話や無線LANのアクセスポイントなど、通常は電源ケーブルが必要な機器でも、LANケーブル1本で通信に加えて給電も可能にします。
PoEは規格上、100mまで給電できます。100mというのは、LANの規格であるイーサネットの最長伝送距離です。PoEではイーサネット規格に準拠したLANケーブルを使うので、最長100mは給電できる規格になっています。
ただしこれは長距離の伝送で使われる、芯線が1本の銅線である「単線」の信号線を使ったLANケーブルの場合です。芯線の銅線がよってある一般的な「より線」の信号線を使ったLANケーブルの給電距離は、60~70m程度といわれています。
また、LANケーブルはメーカーによって品質に差があります。品質が悪いLANケーブルは、内部の銅線の電気抵抗が高くなるため、給電できる距離が短くなります。
LANケーブルの品質は、銅線の太さや、銅の純度などに左右されます。最近市販されている、LAN配線を簡素化するために細線化したLANケーブルやフラットケーブルは注意が必要です。
ちなみに、給電する電力が足りないと、受電する機器のほとんどは動作しません。PoEでは受電側の機器と事前にネゴシエーションしてから供給する電力を決めるためです。ただし機器によっては、少ない電力でも、機能を制限して動作するものもあります。